大人になるまでは・・・


おーおー。いつになく荒れてるなー。

いや、お前がな。(頭ポンする。驚いた彼女、キョトンと見上げる)

ぷっ・・・ははっ。なんて顔してんだよ。(頭ナデナデする)

ん。ちょっと落ち着いたか?そうか。そいつは良かった。


しかし、凄い嵐だな・・・。久しぶりにこんな荒れてる天気に遭遇したわー。


お前、大丈夫・・・じゃあなさそうだな。ふっ、ハハッ。子供の時から苦手だもんな。暗い所も、嵐の夜も。

なぁ、今やってるの、宿題?それとも、予習復習か?

そっか、宿題じゃないなら、辞めだやめ。

え、なんでって?お前なぁ・・・どーせ集中出来てねーんだろ?さっきからイラついてたじゃん。

それより、俺とゲームしよ。その方が、外の音に気を取られなくても良いだろ?

こんな日くらい付き合えって。遅れとか気になるなら、多少なら勉強も見てやれるしさ。

よし、決まりだな!さて、ソフトはお前に選ばせてやるよ。何にする??



(ゲームしてたら、いつもの寝る時間過ぎてる)



くぁぁぁ・・・っ。結構やり込んでたな・・・。ふふっ。お前、もう寝落ち寸前じゃん(笑)

ん?まだゲームすんの?明日学校あるかもしんねーぞ。

あぁ、そうだな。電車が止まれば、ワンチャン休みあるかもだけど・・・。まぁ、朝になってみないとわかんねーよ。だから、そろそろ寝るぞ。


・・・何?あぁ、音怖いのな、わかった。お前が寝るまで、手、繋いどくか?

あ、それとも・・・一緒に寝るか?


ははっ、バーカ。冗談だよ。俺はそこのソファー借りるな。

はいはい。ちゃんとお前が寝るまで、手は繋いでるから安心しろ。



なぁ。こうやってお前が寝るまで手を繋いでるの、子供の頃によくやってたよな。

お前、俺がやってるゲームのモンスター見ただけでも、ギャン泣きするくらい怖いの苦手だったじゃん。

ははっ。今は確かにそうかもな。けど、ホラゲーはやらせてくれないじゃん。まぁ、そういうとこも、可愛いけどな。

うん?・・・あぁ。ありがとな。気遣ってベッドで寝ろって言ってくれるの、嬉しいけどさ・・・

けど、なぁ・・・。俺は男だぞ?こんな可愛い彼女と同じベッドで寝て、なーんも起きないわけ、ないだろ?

ふふっ、顔、真っ赤だぞ。まぁ、そういう事だ。

お前が学校卒業するまでは、手は出さないって決めてんの。

だから、今はこれで・・・な。

うん。焦んなくていい。時が来れば、お前だって大人になるんだし。

だから、今はちゃんと勉強して、お前のやりたい事をがんばりな。

俺がちゃんと支えてやる。



・・・は?バ・・・バーカ・・・。

はぁ・・・それ、まだ覚えてたのかよ・・・。は??昔から、変わって・・・ない・・・??

へ?はぁ!?・・・あぁもう!!わかった、わかったよ、わ・か・り・ま・し・た!!!


・・・ったぁく、お前が俺のお嫁さんなるって、ガキの頃から言ってたの、知ってたけど・・・

そんなの、子供の時だけの話だと思ってたから・・・まだ覚えてた事も、本気で今でも思ってくれてる事も、くそっ・・・嬉しかったんだよ・・・。


お前がわざわざ俺のとこに住み着いてまで、通いたい学校が、頭いいとこの学校だったから、てっきりもっとなんかやりたいことがあるのかと・・・


・・・お前、まさか、本気で俺の部屋に住み着くのだけが目的だったのか?

・・・へ?今更気付いた?って・・・あぁ・・・こいつバカなのか??

・・・はぁ。もぅ・・・早く寝ろ、バーカ・・・

くっそ/// 笑うな!!!寝ろ!!!



(彼女が寝付いて、握られてた手が緩む)


・・・寝たな。

・・・はぁ・・・マジかよ・・・。

・・・ふふっ。まさか、お前がそこまで考えてるとは、思わなかったよ。

これは、責任とらねーとな。

・・・お前が大人になった暁には、覚悟しとけよな。

・・・おやすみ、俺の未来のお嫁さん。