著:結城隆臣
刀剣乱舞の二次創作。神喰竜也の物語。
刀さに要素はありません。
流血・暴力的表現が含まれます。
流血・暴力的表現が含まれます。
※刀剣乱舞の世界観の自己解釈と、マイ設定があります。
※史実に忠実ではありません。
※いろいろ都合よく解釈しています。ご注意ください。
※史実に忠実ではありません。
※いろいろ都合よく解釈しています。ご注意ください。
腹が減っていた。
胃が空になって空腹になっているわけではないが、どうしようもない空腹感と衝動が彼を責め続けていた。
いや、空腹感というのは語弊があるかもしれない。
この不足感を生み出しているのは彼の本能、そのものだったからだ。
古の時代に祖先が生まれ、今の時代まで長く長く続く旧家の神喰家に生をなし、何事もなく成長し何事もなく家を継ぎ、老いて死んで行くはずだった竜也を蝕んだのは、呪いのようなものだった。
物心つく頃には生けるものを次々に殺め、異界のモノを招いていては殺し、食していたと言う。
危険性を感じた一族の者達は竜也をとある秘密結社に預け、なかったことにした。
そして、その秘密結社にて殺人スキルを身に着けた竜也はやがて大人になり、自分の中の殺戮衝動と戦う日々を過ごしていたのだった。
今日はひどくその症状が現れていた。
先ほど複数人を暗殺する仕事を済ませたせいなのか、原因は不明だった。
小雨の降る裏路地に倒れこむように横たわり、耐え忍ぶ。
治す方法は知っている。適当に異界のモノを呼び出して食せばいいのだ。
だがそれは一時的なもので、次にまた空腹感に襲われた時には自分の中で眠っていた衝動が抑えられなくなる。
小雨の降る裏路地に倒れこむように横たわり、耐え忍ぶ。
治す方法は知っている。適当に異界のモノを呼び出して食せばいいのだ。
だがそれは一時的なもので、次にまた空腹感に襲われた時には自分の中で眠っていた衝動が抑えられなくなる。
竜也はぐっと堪えた。
「やあ、こんばんは。初めましてだね」
竜也の頭上から声が聞こえる。
見ればモノクルを付けた政府の制服姿の男が、穏やかな微笑みを浮かべて立っている。
見ればモノクルを付けた政府の制服姿の男が、穏やかな微笑みを浮かべて立っている。
「僕の名前は槐。君は神喰竜也さんだね? よかったら審神者にならないかい?」
男はそういって竜也に向かい片手を差し出した。
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