著:結城隆臣
刀剣乱舞の二次創作。神喰竜也の物語。
流血・暴力的表現や刀さに、BL表現が含まれます。
※刀剣乱舞の世界観の自己解釈と、マイ設定があります。
※史実に忠実ではありません。
※いろいろ都合よく解釈しています。ご注意ください。
※史実に忠実ではありません。
※いろいろ都合よく解釈しています。ご注意ください。
竜也は朝が弱い。
低血圧なせいでゾンビの様にはいつくばって起き上がる。
毎朝起こしに来てくれる骨喰が用意した熱めのブラックコーヒーをすすってやっと起床スイッチが入るような感じだ。
しかし、今日は何故か自然と目が覚めた。
何となく隣に嗅ぎ慣れた香の薫りが漂い、ふとそちらの方を見てみれば見事なされこうべがこちらを向いていた。
何となく隣に嗅ぎ慣れた香の薫りが漂い、ふとそちらの方を見てみれば見事なされこうべがこちらを向いていた。
その時点で叫び声をあげなかったのは、ある意味優秀かもしれない。
視線をゆっくりと動かしていくと、その骨が着ている服は、いつもの見慣れた青い狩衣。
視線をゆっくりと動かしていくと、その骨が着ている服は、いつもの見慣れた青い狩衣。
ゆっくりと起き上がり、竜也は大きくため息を吐くと、部屋の障子をスパンと音を立てて開いた。
障子向こうには起こしにきた骨喰が目を丸くして立っている。
障子向こうには起こしにきた骨喰が目を丸くして立っている。
そんなのも気にせず周囲を見渡し、近侍の部屋を覗き込んだ後、狩衣の持ち主がいないことに気付いた竜也は、眉間に深く深くしわを寄せてチッと舌打ちをする。
骨喰が何事かと竜也の寝室を覗いて、「わっ」と小さな声をあげたその時。
「三日月宗近ぁあ!!!!!!!」
竜也が大きな怒声をあげた。
中庭で光忠が毎朝の日課の水やりをしていた時のこと。
内番服を着た三日月が、縁側にて朝の茶を嗜んでいる鶯丸の側にやってきて隣にストンと腰かけた。
「珍しいな、こんな時間に。当番か?」
「いやはや。主が朝すんなり起きれぬようで、ちと仕掛けを仕込むのに早く起きたのだ」
「ほう、仕掛けか」
ニヤリと笑いながら鶯丸が興味を示したように前のめりになる。
「なぁに、そんなに難しいものではないよ。ちょっと偽物の骸に俺の服を着させて寝ている主の隣に置いてきただけだ」
「えっ、それちょっと相当なものだよ!?」
話を遠巻きに聞いていた光忠は勢いよく振り返った。
「はっはっは、問題なかろう」
「えええ……」
何をしているんだとあきれ果てた次の瞬間、主の大声が本丸に響く。
「あなや……。思ったより早くバレてしまったようだな」
「三日月さん、それ誰の仕業かバレないって思ってたの!?」
「はっはっは。主も冗談が通じないと見える」
「真っ直ぐなところが可愛いな、主は」
「うむ」
じじい連中が微笑みながら茶をすすっている様に、光忠は主が憐れに思えて頭を抱えた。
「さて、じじいは逃げるとするか」
「せいぜい頑張って逃げるんだな」
「なに、逃げ足だけは早いのでな」
「僕は主が可哀想でならないよ」
ゆっくりと立ち上がりのんびりと広間へ歩いていく三日月を見送りながら、光忠は水やりの手を止めると、白骨を見たいとうずうず体を揺らす鶯丸を連れて主の部屋へと向かっていったのだった。
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