手のかかるほど・・・


「おはよーございまーす」

『おはよう・・・って、何しかめっ面してんだ?』

「あぁ・・・すみません。実はちょっと前から、急に頭が痛くなって・・・」

『鎮痛剤は?』

「・・・持ってないっす・・・。」

『・・・はぁ。そこに座れ。ちょっと待ってろ。』

『ほら。これ食ったら、薬飲め。』

「こんなに飲むんすか?」

『バカか。1回2錠だ。後は予備に持っておけ。』

「あぁ・・・はい。ありがとうございます。」

『そのプリンはオーナーからの差し入れだそうだ。後でオーナーにもお礼言っておけよ?』

「はい。了解っす。」

『薬飲んで、落ち着いたら表に出てこい。そんな顔で客の前に出られても困る。裏でできる仕事、残していくから、まずはそっち、片付けて置いてな。』

「はーい。」

(小声で)『ったく・・・手間のかかる奴だ。』




「お疲れっすー。休憩入りまーす。」

『頭痛は治ったのか?』

「あ、今は無いっすね。薬効いてるのかも。」

『それなら良い。そこのソファーにうつ伏せになれ。』

「・・・へ?」

『いいから。言う通りにしろ。』

「・・・?あぁ・・・はい。」

(大きめのふかふかソファーに、後輩がうつ伏せ寝する。先輩が上から馬乗りになる)

「え、ちょっと・・・!?」

(後輩の肩から背中にかけて、指圧したり揉みほぐしていく先輩。)

「んっ・・・。ふぁあっ・・・」

『だいぶ硬くなってるな・・・それに、冷たくなってる。』

「うっ・・・せんっ・・・ぱいの手・・・熱い・・・っ」

『お前の身体が冷えてるんだ。こうすれば温まるから・・・』

「ふぁぁっ・・・!!」

(先輩の手の温かさと、マッサージに、解されて溶けそうな後輩。)

「んっ・・・気持ちいぃ〜」

(先輩の手が、背中から腰へと、下に下になっていく)

『この辺も・・・だな』

「んあっ!腰は・・・ちょっと・・・」

『ん?どうした?』

「気持ちいいけど・・・なんか・・・その・・・」

(ちょっと面白がっていじわるに)『なんだよ・・・言ってみろって』

(腰周りを揉みほぐしたり、指圧したり、わざと触っていく)

「ふぁぁっ・・・気持ちいい・・・です・・・」



(肩から背中、腰へと、あらかた終わろうとする頃、ふと、後輩が静かな事に気づく先輩)

『・・・寝てやがる。』

「すぅ・・・すぅ・・・」

『・・・ほんっと、手間のかかる奴だ。』

(寝顔を覗き込む)

『オーナーには、鎮痛剤もらう時に、あいつが体調悪そうなことは伝えてるし・・・。このまま寝かせておくか。』

(起こさないように、そっと休憩室を後にする先輩。)

「んんっ・・・せんぱ・・・い・・・」

(−この後は各々のご想像にお任せします−)